私は、少しでも人のお役に立てれば嬉しいなという想いで、昔はよく献血に行っていました。献血が終わった後に、お菓子やジュースなどをもらえるので、それが献血に行く理由でもありました。そして、献血に行くと自分がとてもいい事をしたような感覚になるのです。まるで、神社に行ってお参りをしてきたかのような感覚。
しかし、私が薬を内服するようになってから、何の気なしに献血に行った時、現在何か薬を飲んでいないかを問われました。
自分の薬のことを話すのはためらいがあったため、「風邪薬を飲んでいます」と答えました。すると、看護師さんから「申し訳ないんですが、薬を飲んでいる方は献血ができないんです」と言われたのです。
血液の中に薬の成分が混じっているため、献血ができないのだそうです。私の飲んでいる薬は24時間血液中で、ある一定の濃度を保った状態で混じっていないと効果がありません。そのため、献血などとてもじゃないけどできる状態ではないのです。
一生涯薬を飲まないといけないだろう私は、もう献血に行くことができないんだなと、その時に悟りました。何年も前のことですが、とても寂しい気持ちになったのを覚えています。
献血のバスを見たときや、献血センターの前を通った時に「献血お願いしまーす!!」という声を聞いた時、また、テレビやラジオで「○○型の血液が不足しております」などの情報を聞いた時に、心から申し訳ない気持ちになるのです。
先日も免許の更新に免許センターに行った時、ちょうど献血のバスが止まっていました。その横を心の中で「ごめんなさいね」と思いながら免許の更新を済ませました。
そういえば、私はドナー登録もしており、何年か前にドナー候補者に選ばれたという通知が来たことがあります。困った人のお役に立ちたいと思い、提供意思がありますという返事をしようと日本骨髄バンクに連絡をしたのですが、この時も「薬を飲んでいる方はドナーの提供ができません」という返事をを頂きました。
無念・・・。
しかし、よく考えれば、献血ができないのに、ドナーの提供なんかできる訳ありませんよね(笑)
運転免許証の裏に、臓器提供に関する意思を表示する欄があります。
もちろん私は、「脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも、移植のために臓器を提供します」に〇をしています。そして、心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球の全てを提供する意思を表示しています。
私の死後、私の臓器たちは一体どうなるのでしょうか??